ジャパンディスプレイが透明指紋センサーを発表した件
公開日:2018/01/29
以前から、ディスプレイに埋め込まれた指紋センサーの話を幾つか取り上げていますが、この度ジャパンディスプレイ(JDI)からも同様の用途に応用が期待できる指紋センサーが発表されました。ジャパンディスプレイが発表したのは透明な指紋センサーです。
ジャパンディスプレイの透明指紋センサーの概要と特徴
センシング方式は静電容量
今回JDIから発表された指紋センサーは、静電容量の変化によって指紋の凹凸を読み取る方式を採用しています。この静電容量による検知方式は現在のスマートフォンに搭載されているものと同じものです。下記の記事で紹介したSynapticsのセンサーは、光の反射を用いていますので両者は大きく異なります。また、最近は静かですが、一昨年の6月にVivoがデモをしたQualcommのセンサーは超音波式でした。
センサー自体が透明
今回ジャパンディスプレイが発表した指紋センサーの一番の特徴は、センサー自体が透明なことです。このため、ディスプレイに埋め込まれた(実装上はディスプレイ上に実装されますが、ユーザーからはディスプレイに埋め込まれているかのように見えるという意味です。)指紋センサーが可能なだけでなく、あらゆる製品の表面に実装することが可能です。
製品の表面でセンシング
このように以前紹介していたSynapticとは異なるアプローチで指紋センサーを開発したジャパンディスプレイですが、私個人の意見としてはジャパンディスプレイのアプローチの方が用途が広いと考えています。
Synapticの方式だと、どうしても指紋センサーの上に置けるものは限られてしまいます。現在であればOLED以外のディスプレイでは採用できません。一方でジャパンディスプレイの方式では様々なディスプレイの上に実装することが可能と考えられますし、ディスプレイ以外(例えばジャパンディスプレイのサイトに掲載の有るドアの取手)にも搭載することが可能です。
まとめ
今回は先日発表されたジャパンディスプレイの透明指紋センサーについて見てきました。Synapticのセンサーは既に量産されており、2018年のスマートフォンにかなりの数が導入されると思われます。ジャパンディスプレイは今回のセンサーの量産を2018年中を目指すとしており、遅れを取っていることは事実です。とは言えスマートフォン以外への用途も大きいため、なるべく早く量産にこぎつけ、ぜひとも広く利用されるようになって欲しいと思います。