指紋認証がスクリーンに埋め込まれたスマートフォンの発売が近づいている件
公開日:2018/01/17
ラスベガスで開催されている家電見本市CES2018において、中国のVivoが指紋認証がスクリーンに埋め込まれたスマートフォンのデモを実施しました。Vivoは昨年のMWCでQualcommのスクリーンに埋め込まれた指紋認証をデモしていましたが、今回はSynapticsのモジュールを使っているようです。
スクリーンに埋め込まれた指紋認証について
概要
まずは以下のTHE VERGEの動画を御覧ください。
ご覧の通り、画面の上で指紋認証を行っています。これは、ディスプレイ下に指紋認証が埋め込まれており、従来のような指紋センサーのスペースが必要ではありません。御存知の通り従来、指紋センサーはiPhoneやGalaxyのようにホームボタンに組み込まれたり、PixelやLG Gシリーズのように背面に配置されることがほとんどでした。
従来の指紋センサーは、ホームボタンに配置すると画面の占有率を下げることとなる一方、背面に配置すると机においての認証や人差し指のリーチが足りないといった問題を抱えていました。今回Vivoの発表したスマートフォンのような形を取ることで、画面の占有率を高く維持したまま机においての認証などの問題をクリアすることができます。
原理
今回発表されたスマートフォンに搭載されているSynapticsの指紋センサーは、オプティカルセンサーです。つまり、光を発して反射してきた光を読み取ることで指紋の形状を認識しています。指紋センサーは、上の図のようにOLEDの下に配置されています。The VergeによるとVivoはディスプレイのOLEDのピクセルとピクセルの間からセンサーの光を発し、その反射を読み取っているとのことです。
デメリット
さて、概要の項目でメリットについてあげましたので少しデメリットを書いておきます。今回Vivoが採用しているSynapticsの指紋センサーのデメリットは以下の点だと思われます。
1. ディスプレイにOLEDしか使えない
Synapticsの指紋センサーは光をピクセル間から発してその反射光を検知して指紋を検知します。そのため、バックライトに遮られてしまうLCDは原理的に用いることができません。必然的にOLEDしか選択しがなくなってしまうのです。
2. 認証スピードが少し遅い(かもしれない)
上のThe Vergeの記事内でも言及されていますが、認証スピードが少し遅いです。これがVivoのファームによるものなのかSynapticsの指紋センサーの性能によるものなのかは不明ですが、いずれにせよ少し解除まで時間がかかってしまう可能性があります。
まとめ
さて、今回はCESでVivoが発表したディスプレイに埋め込まれた指紋認証についてご紹介しました。Synapticsはこのセンサーがスマートフォンの上位5社に供給されるとコメントしているので2018年に発売される他社のスマートフォンにも同様の機能が搭載されることが期待されます。